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2006-11-14 ITのお話

人工知能セミナ参加

昨日、人工知能学会のセミナに参加してきました。

ターゲットとなる技術はベイジアンネット。
ベイズ理論を応用した推定ロジックの名称です。

アマゾンのお勧め書籍など近年ユーザの嗜好情報の推定結果を元にユーザの利便性向上を目指す動きが盛んです。そして、以前はニューラルネットワークのような実際の脳内の動きを追従させた思考モデルが盛んであった人工知能の分野でも、ベイジアンネットのような確率論に立脚した思考モデルの研究も盛んになってきました。
#アマゾンは協調フィルタリングという推定モデルを利用しているという話もあります。

そこで、人工知能の研究に関わる方が集まってベイジアンネットの成果発表会をする、というのが昨日のセミナテーマでした。

セミナの概要は以下です。
 ・ベイジアンネット概要説明
 ・最先端研究発表
 ・導入事例発表
  ・ランチスポットを推薦するカーナビ
  ・お勧め映画情報を通知する携帯電話
  ・金融商品推奨先顧客推定モジュール

ひとつの講演が1時間程度。どの講演も面白かったです。ただ、現在の問題点もかなり明確になっていました。

 [問題点1]
  人間の思考パターンを模擬した事象推移パターンモデルをどのように構築するか
 [問題点2]
  人間の思考の判断根拠と等しいだけの母体となるデータをどうやって集めるか
   ※もしくは、欠損部分をどのように補完するか
 [問題点3]
  膨大なデータより推定精度を向上させた場合、計算機リソースをどのような確保するか

どの問題点も我々ソフトウェア開発会社にとって探求心をそそられる非常に面白い素材でした。

もちろん、我々は純粋な研究者ではありません。その分野では素人です。ただし、素人は素人なりに何かを見つけることが出来ると思います。問題を解決した「理想的な」 ベイジアンネット利用推定エンジンを開発したいと思います。がんばります。

ただし、ゴールの設定が肝になります。

私は推定(推奨)である以上、8割の精度がでれば合格だと思うのです。例えば我々がご飯を食べるところの選定に困った場合、友人(彼女/彼氏)がお奨め教えてくれますが、それは時として食べたくないものであることもありますよね。それはやはり考えるのが自分自身で無い以上、当たり前の事だと思います。人間が何かを選択することを決定する場合の決定要因は、結局他人(コンピュータ)では完全には共有し得ないのですから。

この8割という精度を目標にすれば純粋な研究者の方とは少し違ったアプローチが可能だと思います。

まずは、作ってみます。
ご期待ください。

#以前のエントリで記述した OS の製作よりはまだ簡単に製作できます。