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2008-8-11 自由人blog

日本環境学会参加総括

http://www.pu-toyama.ac.jp/JAES/34conf_top.htm

めっちゃ面白かったです!!
やっぱ、学会最高!!!

すごく面白い。
知的な(多少、くだらない発表もありますが)ゲームって感じがひしひししますね。

弊社が開発中の Eco システムにプラスになるようななにかを拾うために参加させていただいただいたのですが、半分は公害系の環境論でした。そこは残念です。ただ、半分は環境システム(エネルギー系)だったので必要な情報は収集できました。

各論は後述するとして、概論ですが、私は文系系の学会に初めて参加しましたので(学生時代の専攻は流体です)、かなり新鮮でした。結構な先生達が概論を述べるのですよ。それもほとんど数値なしで。数値を用いた評価がある発表の比率は 8割程度です。

へぇ、ってびっくりしました。数値なしで何を評価できるのか・・・
という世界で育ちましたもので。
#弊社にも「数字で語れ」という標語があります(笑)。

各論に入ります。
「数値で語る」という意味でむちゃくちゃ面白かった発表があります。石川のモーダル政策に関する調査結果を発表しておられた児玉さんの発表でした。

石川県が過去20年にわたって自動車偏重で県内の交通整備を行ってきた検証を予算で実施し、効能をCO2排出量比率で論じ、電車路線の廃止を感情で論評し、電車路線維持に必要な予算は自動車網の整備に必要な予算の 100分の1 で済むと分析していました。これは面白かったですね。しかも、質疑応答で「なんでそんな政策なのでしょうか」と言う質問があがったときに「利権です」と答えた姿が印象的でした。利権優先政策で真に生活者に有意義な政策なんて絶対生まれませんよね。その思いを強くしましたよ。ひどいときは人件費参入ベースで件予算の 43 % 程度が道路交通関連に予算配分されていたんですって。信じられない。

そうそう、理念ベースで言えば。
淑徳大学の先生が、今後の日本人のあり方の理念を話されたときに予稿集に「日本が経済的競争力を維持するためには・・・という視点が必要である」という理念が記述されていたのですが、それに噛み付いた参加者の方が居られました。「今後は国益よりも地球益を考えるべきで、その視点に立った場合、国際競争力など追い求める必要は無い。できれば、政府は GDP で国際的に 5位程度を目指す、などの数値目標を設定して欲しいくらいだ」という発言がありました。この発言は参加者の先生から結構支持されているように感じました。さすが、学会ですよね。うれしい話です。それでも、それを具体的にどうやって実現するか、という論旨は持っていないというところが、学者の先生達っぽい感じがしましたが。

他には産総研の歌川先生が京都メカニズムの算出根拠に関する面白い提案をされていました。現状の費用に関する算出根拠には耐用年数と、エネルギー費用削減効果に関する検討が不足していているという点です。導入コストが安いものに限定すれば、京都メカニズムを利用して購入するよりは各自で実施したほうが絶対に得だ、という分析を数値的に実施されていました。それでも先生は「何をしたら良いのか。」という観点はお持ちでは無かったですね。ちょっと残念です。ただ、そういう「何をするべき」というものの提案こそ我々の出番かも知れません。システムを構築して先に世論を動かしてしまうことで鶏卵前後論争に終止符を打つことができますので。

そういえば、歌川先生も「現在の多産・多消社会を維持しながら地球環境の永続維持は不可能だ」ということを明確に言っておられました。日本としてはまずはそう言った観念を完全にベース共有してしまう、という施策が必要ですね。

他にはこんなトピックがありました。
・NZL では市民参加型で牧草専用となった島ひとつを丸ごと自然再生した事例の報告
  →日本でなぜそのような文化が育たないのかが問題
・過疎の地域全体でごみの減量に取り組んでいる自治体があり、自治体の年間費用からも効果的であることが証明されている事例の報告
  →どうやってごみが減量できるのか、その方策を水平展開することが重要

やっぱり、学会、楽しいですね。
楽しそうでしょう?(笑)

将来は先生になりたいなぁと強く思いました。

まずは10年くらい農業やって、そこでノウハウ貯めて・・・・その知識を大学へフィードバック。これ、最高。